新しい方向を探って

  韮山高等学校同窓会会長 川口市雄

≪はじめに≫
 皆様、新年おめでとうございます。同窓会長の川口です。
 今年は 韮高創立140年という節目の年です。先輩方が積み上げてきたこの素晴らしい歴史を顕彰し未来へのステップにしようと、学校・PTA・後援会・同窓会が一体となって、本年11月には記念式典・講演会を行う予定です。また、大きな節目の年150周年に向けて、準備委員会を発足していきます。
 そして今年は5年に一度の同窓会名簿を41日付で発行します。いろいろなご協力をありがとうございました。

≪自己紹介≫
 韮高との関わりを中心に自己紹介をさせていただきます。
 私は、韮高2年の時、故・渡辺先生の世界の恵まれない人々にスポットを当てた「世界史」の授業を受け 大変な感銘を受けました。その影響で早稲田大学では「西洋史」を専攻し、卒論は「英国労働運動史」でした。
 平成6年から三期12年間、熱海市長を務めました。私は、恵まれない人達のために働こう、そして親切と文化を街づくりのキーワードに温泉の町熱海の街づくりを行いました。
 母校での授業が、その後の私の考え方の基本になったのでした。

≪東日本大震災≫
 2011.3.11の東日本大震災は未曽有の大震災で、未だに多くの人達が苦しんでいます。私は、この苦しんでいる人々に、同窓会として何とか手を差し伸べられないかと思い、義援金活動を提案しました。同窓会の目的にはない等、種々の意見がありましたが、これは超法規的なものであり、学祖坦庵公の教えにも合致すると思いました。韮山代官の身であり乍ら広く世界を見て我国の為に働いた坦庵公ならば、必ずや先頭に立って被災地支援を行うであろうと確信したのです。
 役員会でもご承認いただき、さっそく会員の皆様にお願いしたところ、約300万円という浄財が集まりました。これを震災で両親を失った子供達への教育支援ということで送らせてもらいました。

≪韮高部活動全国大会 支援金≫
 韮高生は、校訓「忍」の精神のもと文武両道を旨とし頑張っており、進学率も県下でも有数の成績です。
 又、近年部活動で全国的に活躍しており、陸上競技・将棋・美術等々で母校の名声を高めており、私達同窓生の大きな誇りです。
 しかし、活躍の場が広がることで経費もかかり、個人負担も多いのが現状です。
 そこで、全国大会支援のお願いを会報でしたところ、約200万円という多額のご寄付をいただきました。生徒諸君も一層部活動に励むことでしょう。

≪文化委員会の創設≫
 韮山近辺は、大変歴史文化が豊かなところです。そこで同窓会では、文化の振興、会員の文化度の向上を目的に文化委員会を創設しました。
 まず、学校、図書館の貴重な資料の整理保存に着手すること、これはなかなか大変な作業です。そして現在、伊豆の国市が進めている坦庵公が建造した反射炉の世界遺産登録への協力・支援、その他数多くの文化遺産を会員の皆様に紹介し認識を深めてもらおうと思っています。

 ≪黒松伐採について≫
 龍城山の黒松は、昔から母校韮高の象徴であり、校歌にも謳われてきました。それが一時松喰い虫でほとんどが枯れてしまったので平成11年「韮山城址黒松復活実行委員会」(江川文庫、韮高同窓会、同韮山支部、金谷区で構成)を立ち上げ、改めて約500本の黒松を植栽し、年2回の下刈りを行うなど一生懸命育ててきました。それが昨年2月、韮山城跡の整備の為ということで、  韮山城址黒松復活実行委員会の同意と立ち会いも得ずに同6月に伊豆の国市によりほとんど切られてしまいました。
 同窓会は早速現地確認後、たびたび役員会を開催、市へ厳重な抗議をして説明を求めました。
 621日、私をはじめ役員が伊豆の国市の望月市長と面談、まず市長から謝罪がありました。そして今後は韮山城址黒松復活実行委員会と相談しながら黒松を植栽するという回答を得ましたので、文書でも回答するよう約束しました。
 ところが、回答文書では肝心な所が市長の発言と違うので同窓会も韮山城址黒松復活実行委員会も不満続出。特に韮山城址黒松復活実行委員会はたびたび開かれ厳しい意見が続出しましたが、最終的には 同窓会の会長及び執行部に対応を一任されました。
 そこで124日、私と役員数人で再度望月市長と面談。その結果、再度望月市長から、改めて今回の黒松の件について謝罪があり、「なるべく早期に市が責任を持って黒松を植栽していく」との回答があり、1225日付その旨の文書回答がなされました。
 同窓会は急遽1228日に役員会(三役、幹事会)を開催。役員会としては、「黒松を切られてしまったことは大変残念で不満ではあるが、この際は前向きに対処して早期の植栽を実現していくことが肝要であろう」として、この伊豆の国市長の回答を了承しました。
 今後は、韮山城址黒松復活実行委員会・同窓会常任理事会等を開催し説明していきます。
 又、早期に松を植栽させることが最重要であるので、直ちに伊豆の国市と具体的な協議に入るべく働きかけていくものです。

 ≪結び≫
 一昨年2011年は韮高同窓会110周年ということで岩見隆夫先生の記念講演などさまざまな行事を行い、又、校歌CD制作・記念ラベルワインの配付などを行い、会員の皆様に大変なご協力をいただきました。ありがとうございました。 又、先程述べましたが東日本大震災続いて部活動全国大会支援金など、不景気な中でご無理をお願いしたところ、ご協力を賜り本当にありがとうございました。
 今後とも、韮高同窓会に対し是非ともご協力くださいますようよろしくお願い申し上げます。

                           2013/1/10 韮高同窓会メルマガ第124号に掲載